先生対談(1)

先生対談の第1回目は、1年目の先生が登場。実は2人とも同じ県外の大学出身です。1年目は何もかもが初めての連続。それでも毎日、誠実に自分たちの課題に向き合っています。

―今日はよろしくお願いします。まずは、さえ先生から。どうして富高学園を選んだのですか?

さえ先生:
大学は県外だったのですが、どこで就職しようか悩んでいるときに、園長先生から電話をいただいて、そのまま園見学をして決めました。子ども達が自分の方から挨拶する姿が印象的でした。
ひなこ先生:
私はさえ先生から、誘われて園見学に行きました。県内(=ひなこ先生の地元)でも園を探してはいたのですが、一度は県外で就職してみようと思っていたところでした。

―ちょっと待ってください。それで富高学園に決めたんですか?県外志向の学生さんが大都市に就職していく例はたくさん聞きますが…

ひなこ先生:
はい(笑)。
さえ先生:
ひなこ先生の地元よりちょっと都会だよ!こんなお店もあるよ!って説得しました(笑)。

―県外一人暮らしを決断させるとは、さえ先生もなかなかやり手ですね。とはいえ、県外には就職先の候補がたくさんあったと思います。ひなこ先生が特に富高学園に決めた理由は何ですか?

ひなこ先生:
主任の先生と面談したとき、私の知りたかったことに次々と答えてくださって。「どういうことが気になっていますか?」と、『質問してみたいこと一覧』まで見せてくださって、「こんなに細かいところまで仕事ができる園なんだな」と感心しました。

―確かに、主任や指導教諭の先生たちがそういった気配りをとても大切にされていますね。ちなみに、その時気になっていたことって何ですか?

ひなこ先生:
やっぱり、人間関係が気になっていました。でも、主任の先生から、「嘘だと思うかもしれないけど、先生達の仲が本当に良いです」と伺って、実際今もすごく助けていただいています。
グリーンスクールも園見学の時に見せていただきました。今はなかなか行けていないですが、子どもたちをもっと連れていきたい!と思います。園外保育の準備が大変だとわかってはいるんですが(笑)

―グリーンスクールを気に入る先生が多いのはうれしいです。さえ先生は地元志向、ひなこ先生は県外志向で結局同じ街に住んでいるというのが面白いですね。

ひなこ先生:
住宅手当も全く家賃を心配しなくて良いほどいただいているので、一人暮らしにはとてもありがたいです。

―実家が遠方の先生でも、日向を第2、第3の地元と思ってもらえるよう住宅手当を充実させています。それでは、1年目の先生の一日について伺います。さえ先生は一日の中でどういう仕事をされていますか?

さえ先生:
今、私は午前中、年少クラスの補助をして午後は預かり保育の担当をしています。預かり保育の先生は3人いて、私が主(リーダー)です。基本的に縦割り(異年齢クラス)で活動しています。

―全体の仕事(職員室での製作準備、行事準備)とかはありますか?

さえ先生:
私の場合、4月の間は、全体の仕事が主で、必要な時に年中クラスの補助に入っていました。今は逆で、年少クラスにずっと補助に入りながら、クラスが落ち着いたときに職員室で全体の仕事をしています。

―入職して3か月半ですが、何か気持ちに変化はありましたか?

さえ先生:
教師としての責任をより強く感じます。一つひとつの行動に責任がかかっています。

―園児は先生を見ていますから、教師の行動をそっくりまねしますよね。

さえ先生:
本当にその通りです。他に、保育準備のような全体の仕事でも、自分が間違えれば後の先生に迷惑が掛かってしまいます。

―仕事の進め方は慣れてきましたか?

さえ先生:
学期はじめと今とでは、保育補助と職員室の仕事のバランスが入れ替わっているので、優先順位をつけなおす必要がありました。さらにクラスに入る時間が増えたので、職員室で今何の準備が進んでいるのか、把握しておかないといけません。

―ひなこ先生の仕事内容はいかがですか?

ひなこ先生:
現在は、年長クラスの担任をしています。一日の流れを確実に進めることを意識し、子ども達と信頼関係を作れるよう、前担任の先生から今までの子ども達の姿をお聞きしています。また、日常の保育では、隣のクラスの先生や、クラスに入ってくださるベテランの補助の先生にもとても助けていただいています。

―まさに園を挙げて、ひなこ先生のサポート体制を作っている状態ですね。今の心境は?

ひなこ先生:
今日、前担任の先生がクラスに給食を運んでくださったのですが、子どもたちは先生の一言一句を聞き逃さずに活動していたので、「担任の先生は違う…」と感じました。やっぱり、担任の責任は重いです。ただ、できないことが多くある状況でも、補助の先生達に一つひとつ目の前で教えて頂ける、それがすごく恵まれているとおもいます。まずは、8月末にあるデイキャンプに向けて、準備を進めることと、夏季保育の初日には誕生日会もあるので、司会のやり方も習わないといけないですね。

―本当に真剣に日々の課題と向き合われていますね。さえ先生は1年目を保育補助からスタートされましたが、担任を持ってみたいですか?

さえ先生:
持ってみたいです。また新しく担任の仕事を覚えることには不安もあるけれど、1年間勉強したことがどこまで通用するか知りたいです。

―それでは、お二人に伺います。幼稚園の先生になって楽しかったことは?

さえ先生:
昨日と違う気づきがあったり、子どもから話しかけられたりするときが楽しいです。疲れもふき飛びます。
ひなこ先生:
こどもがいるから頑張れることですね。以前に補助に入っていたクラスの子も、私の姿を見かけるたびに、挨拶してくれて、そういう姿を見ると、「頑張ろう」と思えます。

―やはり、こどもあっての先生ですよね。それでは次の質問ですが、日々、保育内容を考える中で、保育のアイデアをズバリどこから仕入れてますか?

さえ先生:
私は、最近インスタからも見つけています。
ひなこ先生:
私は、保育雑誌も見ています。特に担任になると分かったときに補助の先生から結構な量をいただきました。

―ネット上にも、子どもが楽しめる活動の例がたくさんあるので、上手に取り入れていけるといいですね。ところで、今担当している子どもの姿・見つけた活動例・そして育ってほしい子どもの姿の3つがうまくかみ合ってますか?

さえ先生:
それは、この前の研究保育でも指摘されました。スタートは「いい活動見つけた!」でも良いけれど、実際に保育を組み立てるときはねらいや子どもの姿から考えないと、保育後、意味のある反省にたどり着かないと。
ひなこ先生:
私も難しさを感じています。今まで、日誌を添削していただいていたのですが、私が先輩の保育を見て、「こういう育ちをねらっているのかな?」と考えたことと、その先輩が実際に考えていることがやっぱり違うんです。先輩のねらいのほうが確かに子どもの姿をとらえています。

―経験を重ねて見えてくる部分というのは確かにありますよね。他の先生の経験を吸収できる環境も大切だと思います。最後に、学生さんへ、園選びをする上でのアドバイスをどうぞ。

さえ先生・
ひなこ先生:
人間関係。

―人間関係を推してきますね。お二人に伺いますが、いい人間関係って何ですか?

さえ先生:
何かあったら、きちんと表(おもて)で伝えてくれるところだと思います。

―とても大切ですね。他にありますか?

ひなこ先生:
私が一人暮らしだというのもあると思うんですけど、皆さん、とても気にかけてくださいます。あと、「皆で頑張っていこう」という雰囲気が大きいです。

―「先生頑張れ!」ではなく、「皆で頑張ろう!」だと本当に頑張りやすいですよね。1年後のお二人がとても楽しみです。ありがとうございました。



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